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日本ワインを愛する会

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マンズワイナリーの畑にて
ツアーは辰巳ナビゲーターの挨拶で始まった

ヴィラデストの庭で玉村婦人と談笑する辰巳、麹谷、佐藤里佳アナウンサー

大きな窓から燦燦と光が降り注ぐレストラン
参加者も超リラックスモード

‘ラトゥール’の屋上から
崖下は一面のシャルドネ畑

スパークリングワインを振舞う小布施の風雲児 曽我彰彦氏

「北アルプスワインと料理を楽しむ会」
今回の料理担当は原真教シェフ

高野豊マスターソムリエによるシャンパンサーヴル

美味しい料理とワインで大満足の参加者

「辰巳琢郎と行く一泊二日信州ワイナリーツアー」レポート

いったい誰の行いが悪かったのでしょう?6月11日、集合場所となった池袋周辺は見事に雨。ワイナリーツアーにとって雨は最悪のシナリオです。朝8時半、東京からの参加者18名を乗せたバスは不穏な天気に見舞われたまま一路信濃路につきます。今回のナビゲーターである当会の辰巳副会長と、麹谷理事は現地でお出迎え、東京からは日本ワイン愛飲家を始め、飲食店経営者、山梨と岩手のワイナリーからも参加がありました。また、「辰巳琢郎のワイン番組“TatsumiWinery”」(BSフジ毎週土曜22:00-22:30/毎週日曜14:00-14:30)の収録も兼ねていたため、フジテレビの佐藤里佳アナウンサーも同乗しました。

午前11時、予定よりやや遅れて最初の訪問先、「マンズ・ワイナリー」に到着した頃は、いったい誰の行いがよかったのでしょう?カラリと雲ひとつない晴天となりました。ここで辰巳副会長、麹谷理事に加え、「ワイン・アンド・カルチャー」を主宰する田辺由美さんも合流し、マンズ・ワイナリーの畑や庭園、カーブ「万酔園」などを見学し、売店での試飲となりました。最近はソラリスシリーズでシャルドネなどの国際品種が評価されていますが、長野では古くから栽培されている白ブドウの「善光寺」で造られたワインや、マンズワイン独自の開発である「信濃リースリング(リースリング×シャルドネ)」や「シャルドネ・ドゥ・コライユ(シャルドネ×甲州)」を試飲できたのも面白い体験だったと思います。

次の訪問先は、エッセイストとしても著名な玉村豊男氏のワイナリー「ヴィラデスト」です。あいにく玉村氏は留守でしたが奥様が出迎えてくださいました。ここではメルロー、シャルドネの畑もさることながら、数々の醸造機械を備えるワイナリーに圧倒されました。

世界最新鋭のプレス機、シードルを造るためのりんごを絞る圧搾機、グラッパを蒸留するアランビック、、、。そして何より、こんなにきれいな(清潔なという意味も含め)ワイナリーを国内外を通しても見たことがありません。‘美味しいワインは清潔なワイナリーから’海外の造り手から時々耳にする言葉です。

そろそろお腹が空いてきました。バスを北に走らせること1時間、次なる訪問先「サンクゼール」に到着しました。午後2時過ぎ、何はなくとも腹ごしらえでしょう、ということでサンクゼール内にあるチャペルに隣接したレストランでランチをいただきました。久世社長のご挨拶の後、池田工場長からワインの説明をうけつつ、舌鼓を打ちました。メニューは、マグロのグリルとタコのマリネのガスパチョ、イベリコ豚のロースト生ハム添え、ブラッドオレンジのシャーベットのエスプレッソ掛け。後で聞いたのですが、どうやらスペインフェアをやっていたようです。暑い日差しのもと、2軒のワイナリーを見学した後にひんやりとしたスープはほてった体を癒し、豚のガツンとしたボリュームは空腹を満たしてくれました。オリジナルの焼き立てパンも滋味があふれていてとてもおいしかったです。ワインはシャルドネのスパークリング、樽熟成のシャルドネ2005、カベルネ(ソーヴィニオン、フラン)&メルローの2004、そして1樽しか仕込んでいないというシャルドネNEO 2001をいただきました。最後のNEOはまさにレアなもので現地に足を運ぶ醍醐味を実感しました。ラッキー!!この後畑とワイナリーを見学して次的地に向かうのですが、ここでランチを堪能しすぎてこの後のスケジュールは駆け足で廻ることになるのです。

言い忘れていましたが、このサンクゼールからは日本ソムリエ協会常務理事でマスターソムリエ、まさに長野県にこの人あり!の高野豊氏と合流。我々のガイド役を引き受けてくださいました。「長野県のことならなんでも聞いてください」の言葉どおり、バスの中ではワインのことから風林火山まで、とにかくあらゆる長野を語っていただきました。

高野氏の計らいで途中、須坂市水道局が管理する配水場へ立ち寄ります。通称‘ラトゥール’というだけあってたか〜い塔です。通常は関係者以外立ち入り禁止のところを特別に入れていただきました。ビルの10階分くらいの高さを階段で登るんですが、先ほどのランチが効いて重い重い、屋上にたどり着くころには息も絶え絶え、皆さんヨレヨレ状態でした。が、見渡すと絶景かな!一面のシャルドネ畑が広がっているではありませんか。ここは須坂や小布施の地形を把握する特等席だったのです。「あー、この畑からあのワインが生まれるのねー」と思うと感慨もひとしおです。

と、浸っている間もなくバスは「小布施ワイナリー」へと急ぎます。夕刻6時。ワインメーカーの曽我彰彦氏が時間のない我々を察知して、口早にワイナリーを案内してくださいました。特に2階のスパークリングを造る際の道具、ピュピートルやコルク栓を手動で詰める器械などは興味深かったです。そして最後に曽我氏の造ったスパークリングワインをいただいて惜しいですが後にしました。

なぜ我々がこんなに急いでいるのかというと、会場である「ラ・ネージュ東館」のレストランで「北アルプスワインと料理を楽しむ会」の方々22名が待っていてくださるからなのでした。今回のワイン会はこの「北アルプスワインと料理を楽しむ会の例会」に我々がおじゃまするという形でしたので、遅れるわけにはいかなかったのです。とはいえ、小布施からラ・ネージュがある白馬までは軽く1時間以上、結局到着したのは8時過ぎで皆さんを2時間近くお待たせすることになってしまいました。本当にすいません、この場を借りてお詫びいたします。


さて、ワイン会ですが、基本的には「北アルプスワインと料理を楽しむ会」のルールに則ったもの、つまり、毎回料理担当者(近郊のホテルやレストランの料理人が持ち回りで担当)を中心に盛り付けや配膳、片付けなどは参加会員全員で行う、まさに手作りの会ですが、今回はこれに特別「長野のワイン」と地元の食材をなるべく取り入れた、地産地消に近い構成を考えていただきました。料理はプチホテル アンシャンテの原真教シェフ、ワインセレクトは高野マスターソムリエが担当。具体的には

信州サーモンのマリネとホワイトアスパラガス/鳥胸肉とフォアグラとアーティチョークのテリーヌ白馬の山菜のピクルスを添えて/サザエのつぼ焼き ブルゴーニュ風/鴨もも肉のコンフィ/清水牧場(長野県)の山のチーズ、森のチーズ/清水牧場の牛乳で作ったパンナコッタとヨーグルトのソルベ

ナイアガラ・スパークリング(五一わいん)/信濃リースリング2005(マンズワイン)/メルロー・ロゼ2006(山辺ワイナリー)/シャルドネ・バレルエイジング2005(山辺ワイナリー)/駒ヶ原・平沢畑2006(本坊酒造)/スープリーム・メルロー樽熟成2005(井筒ワイン)/コンコード・氷結ワイン2006(五一わいん)/甲州瓶熟成1989(白百合醸造 辰巳副会長提供)/一点の雪(長野県産「美山錦」使用の焼酎)/茜さす(有機栽培の美山錦使用日本酒原酒)

これだけの量の料理とお酒(焼酎や日本酒まで)をマリアージュさせるのは至難の技でもありますが、まあここは「お酒は楽しく飲まなくちゃ」に徹することに。個人的にはつけ合わせで出されたサザエの肝とロゼ、チーズとコンコード、チーズと茜さすの組み合わせが好きでした。

美味しい食事とワインに加え、自己紹介や料理・ワインの説明、辰巳副会長と佐藤里佳アナウンサーの軽妙トーク、更には高野マスターソムリエのサーヴルパフォーマンスまで、エンターテインメントを目の当たりにでき至福のひとときでした。

翌日は9時出発にもかかわらず飲み足りないメンバーは、レストランを出た後もホテルの暖炉で団をとり飲み会。午前3時までがんばりました。

朝食は太陽と緑いっぱいのテラスで

ラ・ネージュ東館の正面

あずみアップルではソーヴィニヨン・ブランやメルローのバレルサンプルを試飲

本来生食用のブドウで積極的にワインを造る山辺ワイナリー
最近はメルローやシャルドネも評価が高い

「翔峰」のランチ
このツアーのための特別メニュー
この後そばとデザートが

井筒ワイン 後ろの巨大ステンレスの中で発酵・ルモンタージュを行う

スマート仕立てを説明する林幹雄社長
林農園にて

サントリー塩尻ワイナリーのカーヴ
カーヴというより巨大倉庫の印象

辰巳ナビゲーターによるバスツアーはさながら遠足のよう

6月12日、早く起きて散歩したらさぞかし気持ちよかったろうなぁ、と思わせるぐらいの見事な晴天でしたが睡魔には勝てず、しかし朝食にはしっかり間に合わせました。マイナスイオンたっぷりの森の中で食べる朝ごはんはまた格別です。ほとんどのメンバーがテラスでの朝食を楽しんでいた様子。

前日あまりにも慌しく到着し、部屋に荷物を置くや否やレストランに集合だったため、ホテルのご紹介ができませんでしたが、ここ「ラ・ネージュ東館」は‘白馬随一’との高野氏の言葉通り、本当にすばらしいところでした。私はコテージ(離れ)でしたが、部屋は広くデッキもあり、前日の晩は無数の星を眺めながら、そこで締めのビールを飲んだくらい気持ちがよかったです。本館に泊まった人の中には「ジャグジーがあった」部屋の人もいたようで、それぞれ個性の違った部屋でそれぞれのリラクゼーションを満喫することができました。

そんな快適なホテルを後にバスは出発、前日に引き続き高野氏にガイドしていただきながら、今度は塩尻まで南下していきます。途中青木原の畑に立ち寄りながら最初の訪問地、安曇野の「あずみアップル」に到着。こちらのワイナリーでは製造課の内方知春氏に案内していただきながら、最近ことに評価の高いソーヴィニヨン・ブランやメルローを熟成中のバリックの中から試飲させていただきました。ソーヴィニヨンの青々しさが心地いい!ここでも現地へ足を運んでならではの特許行使です。

次は前の晩のワイン会でも登場した松本の「山辺ワイナリー」です。ここではワイン会で飲んだメルローやシャルドネなどの国際品種のほかに、デラウエアやコンコードといったラブルスカ系の品種を使ったワインも多数造られていて、売店ではこれらを片っ端から試飲することができました。

この後昼食タイム。この日のここまでのスケージュールは順調そのもの。松本のホテル「翔峰」にてそば懐石をいただきました。メニューは次のとおり。

           

奥信濃の高原で育った信濃地鶏と波田産焼葱と乗鞍の片栗の花を使ったどびん蒸し/県内各地の夏野菜を使った信州黒部サーモンと大岩魚の包み造り/信州牛のロースト 三種のソースにて/中野市のえのき茸とオクラを使った冷製茶わん蒸し カレー餡にて/木曽川の山女魚唐揚げグリーンアスパラ添へ レモン辛味卸し/信州手打ち蕎麦/川中島産白桃のマスカルポーネチーズアフォガード仕立て

和洋折衷のすばらしい膳でした。バスの中で「せっかく信州来たんだから蕎麦食べたいよね」とつぶやいた人がいましたが、その声が聞こえたかのように茹でたてそばも味わえましたし大満足です。

どうも食事になると時間を忘れてくつろぎたくなるのが我々の悪癖、というより人の常というもので、さっきまでの余裕はどこへやら、ここから3つのワイナリーはまた駆け足になってしまいました。

まずは「井筒ワイン」。1933年に創業されたこのワイナリーは、約70種類ものワインを造っていますが、塩尻の桔梗が原といえばやはりメルロー。特に前夜のワイン会でも供された「スープリーム・メルロー樽熟成2005」は今年度長野県原産地呼称審査会において最高得点を得たすばらしいワインでした。

続いては井筒ワインのお向かい、不動産表示なら徒歩0分の「五一わいん(林農園)」へ。今日この地にメルローがあるのはここの創業者、林五一氏が最初に植え栽培に尽力したから、という話は有名です。現在は次男の幹雄氏が志を引き継ぎ棚のスマート仕立てを取り入れたりポット栽培を実践したり、とアイディア満載でブドウを育てています。テイスティングでは、この地ならではの竜眼種(善光寺と同系品種)やもちろんメルローなどと、1998年のシャルドネ貴腐ワイン、2000年のケルナー貴腐ワインを試飲。偶然の産物とはいえ、日本でこんな貴腐ワインができることにビックリです。

そして最後の訪問地、「サントリー塩尻ワイナリー」です。元々はブランデーの樽の熟成庫だったという深いカーヴはまるで秘密基地のよう。もちろん現在はワイン樽が積んであります。テイスティングはやはり自慢のメルローを中心に。桔梗が原メルロー2001と特別醸造メルロー2002(発売前)は共にリュブリアーナ国際ワインコンクールで金賞を受賞しています。ちなみにこの塩尻のワイナリーへの訪問客は我々が初めてとのことでした。

大急ぎで廻り午後5時半、帰京の途につきました。帰りのバスが宴会場と化したことはいうまでもありません。

個人的には、そこでしか飲めない貴重な1本やバレルサンプルを試飲できたことはもちろん、ヨーロッパと見まがうほどの整備された垣根仕立ての畑が増える中、日本古来からの棚仕立ての畑はいずれなくなってしまうのでは?と漠然と感じていた今日この頃。しかし今回の旅で棚作りの必然性(もちろん品種にもよります)も十分に感じることができたし、こうして畑の中で造り手に話を聞く貴重な機会にもなりました。ほとんどのワイナリーで何十ものバリック(新樽)がカーヴに並んでいることにもびっくりでしたし。都会でテイスティングするのもいいですが、度々書いているように現地に行かなければわからないことがたくさんあり、そしてその現地も日々進化し続けているのです。

今回はワインに精通し、ワイナリーとも親交の深い辰巳副会長の案内とあって、より深く、より楽しく巡ることができたと思います。

最後に参加された皆さん、大変お疲れ様でした。信濃の道中をずっとガイドしてくださり訪問先諸々段取ってくださった高野豊マスターソムリエ、貴会のワイン会参加を快く受け入れてくださった「北アルプスワインと料理を楽しむ会」の皆様、本当にありがとうございました。

(本誌編集長 小山田貴子)

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